梅雨が終わり、いよいよ夏がやってきました。気力も体力も奪われる暑い日も、おいしいビールがあれば乗り切れるというもの。なかでも気分を上げたい日にぴったりなのが、個性豊かで特別感のあるクラフトビール。そんなクラフトビールの先駆けが、新潟県だって知っていましたか?
実は新潟は、日本初のクラフトビールが生まれた地。その後も発展を遂げ、今では大手から地域密着型まで個性豊かなブルワリーが存在する“ビール大国”となっているんです。
そんな新潟のクラフトビールが、都内にある3つの新潟アンテナショップ〈表参道・新潟館ネスパス〉〈NIIGATA1〇〇〉〈ブリッジにいがた〉で購入可能! 今回は、新潟のお米を使ったものから、珍しい自然発酵製法でつくられたものまで、都内で購入できる6種類の新潟クラフトビールをご紹介します。
国内第1号のクラフトビールメーカーが手がける〈エチゴビール〉
1995年に、国内第1号のクラフトビールメーカーとして創業された〈エチゴビール〉。70〜80年代にヨーロッパで演劇活動をしていた創業者がドイツのビール文化に感銘を受け、地元・新潟からこの文化を広めたいと考えたのがはじまりでした。
そんな〈エチゴビール〉の代表的な銘柄といえば、心地よい苦みが魅力の黒ビール〈スタウト〉。苦みだけでなく甘みもしっかりと感じられるバランスの良さが特徴です。
米どころ新潟ならではの〈こしひかり越後ビール〉も見逃せません。材料に使用されているのは、新潟県産のコシヒカリ。スッキリとしたのどごしと爽やかな後味が特徴で、寿司などの和食によく合うビールとなっています。
「八海山」の酒蔵による極軟水仕込みの〈猿倉山ビール醸造所 RYDEEN BEER〉
新潟を代表する酒蔵のひとつ〈八海醸造〉。1998年から〈八海山泉ビール〉を醸造してきましたが、これをリブランディングして2018年に誕生したのが、〈猿倉山ビール醸造所 RYDEEN BEER〉です。
ラインナップは、これまで泉ビールの定番だった〈ヴァイツェン〉〈アルト〉に加え、個性の強い〈IPA〉と〈ピルスナー〉の4種類。これに季節商品として〈ポーター〉〈ペールエール〉〈セッションIPA〉が加わります。
仕込み水には、日本酒〈八海山〉にも使用する地元・魚沼の名水「雷電様の清水」を使用。商品名の由来にもなっています。特筆すべきはその硬度! 雷電様の清水は、硬度が2.4程度の“極軟水”なんです。そのため、きめ細やかで旨みと香りを備えた、品格ある味わいに仕上がっています。
500年前のドイツの伝統製法を守り続ける〈胎内高原ビール〉
〈胎内高原ビール〉は、新潟県北部の胎内市が旧黒川村時代にはじめた本格クラフトビールです。手がけるのは〈新潟ビール醸造〉。500年以上前にドイツで制定された「ビール純粋令」に則した製法を、今も守り続けるブルワリーです。
ビール純粋令とは、原料を大麦、ホップ、水に限るというもの。のちに酵母が追加となりましたが、使うのはその4種類だけです。胎内高原ビールは、ドイツ産の麦芽とホップ、地元の良質な天然水を使用して、ドイツのブラウマイスター直伝の製法で醸造。ビール本来の旨みや香りが感じられる味わいとなっています。
都内で取り扱いがあるのは、胎内高原ビールのなかでも新潟らしさが際立つ〈吟籠(ぎんろう)〉。「新潟らしいクラフトビールを世界へ」を掲げ、材料に新潟県産コシヒカリを加えたビールです。ビール製造の副産物・麦かすを肥料に土づくりをし、その畑で栽培した専用のお米を使ったプレミアムな一品です。
〈WHITE〉は、苦みが少なく飲みやすい、フルーティーな味わい。華やかなホップの香りのなかに、ほのかにお米の風味が感じられます。〈IPA〉は、ホップの香りと苦みが調和するスッキリとしたビールです。
国際大会で多数受賞の実力を持つ〈スワンレイクビール〉
1997年に旧笹神村(現在の阿賀野市)で生まれた〈スワンレイクビール〉は、創業から3年で世界最大のビール品評会〈ワールドビアカップ〉で国内初の金賞を受賞した実力あるビール。これまで出したビールは国内外で140以上の受賞をしており、今では世界中から注目を浴びるクラフトビールブランドとなっています。
〈表参道・新潟館ネスパス〉で手に入る〈ゴールデンスワンレイクエール〉は、定番商品のなかで「最も飲みやすい」と評判の一品。すっきりと爽快なのどごしで、フローラルなホップの香りとモルトの優しい甘みが調和した、豊かな味わいが特徴です。
〈越乃米こしひかり仕込みビール〉はその名の通り、地元・新潟県産のコシヒカリを使用してつくられています。製造の過程で米を加えることで、軽快で飲みやすい味わいに。ホップのエレガントな香りと、そのなかにふわりと感じるお米の風味が魅力の一品です。
有名スキーリゾート発、チェコ式醸造法を守る〈妙高高原ビール〉
冬はスキー、夏はトレッキングやゴルフを目当てに多くの観光客が訪れる高原リゾート・妙高高原。この地で人気のクラフトビールといえば〈妙高高原ビール〉! 手がけるのは、スキーリゾート〈ホテルアルペンブリック〉で1997年に創業した妙高高原ビール。
このビールの特徴は、500年以上の歴史があるチェコ式の醸造法でつくられている点。原材料にはヨーロッパ産の麦芽と東欧産の高級ホップを使用し、妙高連峰を流れる清らかな天然水を仕込み水に使った、豊かな風味と香りが魅力のビールです。
都内で手に入るのは、〈ピルスナー〉と〈ヴァイツェン〉の2種類。いずれも〈表参道・新潟館ネスパス〉で取り扱っています。〈ピルスナー〉は、2018年1月の〈JAPAN BREWERS CUP 2018〉ピルスナー部門で1位を受賞した実力あるビール。高級品種であるザーツホップの香りと苦みが鮮烈な一品です。〈ヴァイツェン〉は、南ドイツで愛される伝統の味。酸味と香り豊かな味わいです。
冷やしても常温でもおいしい、麦のシャンパン〈新潟麦酒〉
新潟市西浦区生まれの〈新潟麦酒〉のコンセプトは、「本当においしいビールとは常温でもおいしく飲めるビール。それを冷やせば“もっとおいしい“」です。通常、ぬるいビールは苦みが際立って飲みにくくなってしまいますし、キンキンに冷やしすぎるとせっかくのモルトの旨味がわからなくなってしまいます。そこで、味に自信があるからこそ、冷やしすぎずに「10度前後」でじっくりと味わうことを推奨しています。
〈新潟麦酒〉のビールは瓶内発酵を取り入れています。瓶内発酵は「栓を開けた時が一番フレッシュな状態」。言うならばビールタンクから直接グラスに注ぐのと同じイメージです。また、人工的に炭酸ガスを圧入するのとは違い、酵母菌が作り出す自然な泡を楽しめます。香り高いエールビールを存分に味わうには打ってつけの製法なのです。
シャンパンと同様の製法でつくられる瓶内発酵ビールの味わいは、ビールというよりも、まさに“麦のシャンパン”。麦芽とホップ本来の風味をしっかりと感じられて、しかもその味わいは月日が経つごとに深まっていきます(※種類により異なります)。
なかなか遠出をすることがはばかられる状況が続いていますが、都内に3つある新潟のアンテナショップなら、主要な新潟のクラフトビールを取りそろえています。店舗在庫は、季節や時期によって異なりますが、お目当てのビールが見つかったらアンテナショップをめぐってみましょう。