「だから新潟がいい!」という県民のアツいメッセージを紹介する『#新潟のコメジルシ』から『借金ゼロで、毎日温泉入り放題のリゾートマンション暮らしが叶う!』という記事に注目。この記事では温泉だけでなくサウナ熱も高まる新潟にフォーカスしました。
昨今のサウナブームは勢いを増すばかりですが、サウナ遠征、サウナ旅に出かけるサウナーも珍しくありません。とはいえ、憧れの本場フィンランドで雪景色×サウナを体験するのはハードルが高い……。
しかし、フィンランドに行かずとも、自然と共生するサウナが新潟県湯沢町にあります。〈Heidi Guest House(ハイジゲストハウス)〉は本格フィンランド式サウナに加えて、極冷の水風呂、そして、雪上ダイブが味わえるのです。
さらに忘れてはならないのが、新潟県は、米どころ・酒どころだけではなく「サどころ(サウナどころ)」として注目を集めていること。新しいサウナ施設が次々にオープンし、新潟初のサウナイベント「豊蒸祭(ほうじょうさい)」が行われるなど、県内外からサウナ需要が高まっているのです。そこで、サウナ目当ての宿泊客も訪れるという、新潟県湯沢町の〈Heidi Guest House〉の広報を担当する日野澤さんにお話をうかがいました。
世界中を遠征した元オリンピアンが手がけた本格サウナ
〈Heidi Guest House〉があるのは多くの観光客で賑わう苗場スキー場のすぐそば。オーナーの皆川賢太郎さんは競輪選手だった父親のもとで育ち、長野オリンピックに始まり、ソルトレークシティ、トリノ、バンクーバーと4大会連続でオリンピックに出場経験のあるアルペンスキー選手です。若い頃からスキーの練習や試合で欧州に行くと、遠征先にサウナがあることが当たり前だったといいます。
「ウインタースポーツの選手にとって、体の調子を整える一環としてサウナはなくてならない設備。海外遠征で極寒の豪雪地帯に行くことが多く、皆川にとってサウナが身近な存在でした。
そして2020年、ご両親が経営していたペンションを引き継ぎ、サウナを新設。「旅は自由」をテーマにしたゲストハウスとして再オープンしました」と日野澤さん。
〈Heidi Guest House〉は苗場スキー場のすぐそばにあり、連泊のスキーヤー・スノーボーダーが集まります。宿泊中に普段と同じように体をケアしながら楽しめるよう、サウナだけでなくジムも完備しています。
極上の雪解け水仕様の水風呂と、
雪上ダイブができる数少ないゲストハウス
昨今のサウナブームをきっかけにサウナ設備も多様化しています。昔ながらの銭湯にある電気やガスのサウナストーブ、サウナストーンに水をかけて湿度や温度を調整できるセルフロウリュタイプ、温度や時間によって自動的に水をかける装置がついているオートロウリュタイプなど……サウナ目当ての宿泊客も多いという〈Heidi Guest House〉は、どんなストーブを使っているのでしょうか。
「うちでは日本の温浴メーカー〈METOS社〉が取り扱うフィンランド製の〈iki〉ストーブを設置しています。大量のサウナストーンを搭載できるので、ロウリュ(サウナストーンに水をかけで蒸気を発生させること)をガンガンしても室温が下がらずに、湿度が上がってしっかりと体感温度を上げてくれるのでぜひ体験してみてください」
苗場は、仙ノ倉山や谷川岳などの山に囲まれた降雪量が多いエリア。〈Heidi Guest House〉では、その山々で濾過された雪解け水が地下水として汲み上げられ、水風呂にも使用されています(現在、地下水の汲み上げ装置が故障中。雪が溶けた今春以降に修理予定)。サウナ室のすぐ隣にある露天の水風呂は、真冬では水温が10度以下になるかなり冷たいタイプ。水質は柔らかく感じ、優しく体に染み渡ります。
「冬場は氷が張ってしまうこともまれにありますが、多くのサウナーの方々からご好評いただいております。水風呂は地下水かけ流しで、真夏でも12度くらいでキンキンに冷たいですし、夏にはサウナ目当てで宿泊される方もいるほどです。オールシーズン楽しんでいただけるような温度設定と、水質のポテンシャルを兼ね備えていると思います」
そして、都心では味わえないサウナの醍醐味といえば、「雪上ダイブ」。サウナで蒸された体が一瞬で冷却される心地よさは、一度味わったら虜になることでしょう。
さらに、室内には内気浴でリラックスできる部屋「ICE BOX」があり、ロッキングチェアが設置されています。窓を開けると冷たく澄んだ苗場の空気が火照った体をクールダウンしてくれます。
フジロック名物「苗場サウナ」と湯沢の名湯
苗場といえば、夏の風物詩〈フジロックフェスティバル〉の開催地として有名です。例年10万人以上(※コロナ禍では来場客を制限)を動員する同イベントには、〈Heidi Guest House〉も携わっています。
「会場内での飲食店の出店に加え、2021年はMETOS社さんから〈ASEMA〉というトレーラーサウナをご提供いただき、館内にあるサウナとは別に屋外にサウナを設置しました。フジロックは雨が降る年も多く、体力的にタフなイベントなので喜んでくれるお客様も多かったですね」
また、湯沢町は温泉地であることを忘れてはいけません。〈貝掛温泉〉は鎌倉時代から続く歴史ある温泉で、福島の〈微温湯(ぬるゆ)温泉〉、箱根の〈姥子(うばこ)温泉〉と並んで眼精疲労などに良いとされる日本三大「眼の温泉」と呼ばれています。42度のあつ湯と37度の不感温浴との温冷交互浴、冬場は雪見温泉が楽しめます。
いま、新潟のサウナ熱がスゴい?!
〈Heidi Guest House〉の広報として活躍する傍ら、自身も大のサウナ好きという日野澤さんに、湯沢、そして新潟県のサウナシーンについて聞いてみました。
「湯沢は冬に繁忙期を迎えるスキー場のまちなので、サウナがあるホテルも多いです。都心には男性のみサウナ施設もありますが、湯沢ではほぼすべての施設で女性もドライサウナに入れます。苗場プリンスホテルさんはもちろん、銭湯のような宿場の湯のようなところにもサウナがありますし、サウナは以前からとても身近なものなんです。昨今のサウナブームの影響というよりは、このまちをウインタースポーツや温泉だけでなく、サウナも切り口に盛り上げていこうといった構想はあります」
また、新潟県はサウナ熱が高く、googleトレンドの検索ワード伸び率(2018年~2022年)県別のランキングでは全国第2位というデータもあります。なぜそれほど新潟のサウナが注目されているのでしょうか。
2018〜2022年の「サウナ」検索伸び率
「新潟は海も山もあり、四季の変化を存分に楽しめるので、自然を体験できる要素があるユニークなサウナが多いことが特徴です。サウナ室から日本海が一望できる〈サウナ宝来洲(ホライズン)〉(柏崎市)や、アウトドアブランド〈snow peak〉が手がける森の中にあるサウナ〈FIELD SUITE SPA〉(三条市)などさまざまなスタイルのサウナ施設があります。
また、〈サウナ宝来洲〉のオーナーがリーダーとなって、『米どころ』ならぬ〈サどころ新潟project〉というサウナ経営者の団体があり、新潟全体でサウナシーンを盛り上げていこうと動いています」
〈サどころ新潟project〉では、新潟県初のサウナ巡りイベント〈豊蒸祭(ほうじょうさい)〉を開催。県内にあるサウナ施設を回り、デジタルスタンプラリーでスタンプを集めて、景品がもらえるイベントは、連日各施設でおおいに盛り上がったようです。
「2022年の〈豊蒸祭〉は10月に開催しました。新潟県ではちょうど秋の収穫祭でお祭りの時期。『豊穣』と『豊蒸』をかけているところもおもしろいですよね。イベントを開催した効果もあって、今なお新潟のサウナ施設はどんどん増えています。
実は私が使っているこのバッグも〈ABiL(アビル)〉という新潟発のアウトドアサウナブランドなんですよ(写真下)。こうしていろんなかたちで地域の人たちが手を取り合って、新潟県を盛り上げていけたらいいなと思っています」
自然豊かな土地と相性のいい「アウトドアサウナ」
サウナで得られるリラックス効果は、美しい景色や静寂な空間によってさらに高まると言われています。賑やかな都心型のサウナに疲れた方は、自然×サウナを堪能できる新潟県で「サ旅(サウナ旅)」をしてはいかがでしょうか。個性的な県内各地のサウナ施設が、訪れた方をあたたかく蒸してくれることでしょう。
なかでも、湯沢町は都心から新幹線で70分とアクセスも良く、ウインタースポーツも温泉も楽しむことができます。サウナを楽しんだあとは、お米・日本酒など新潟グルメを楽しむことも忘れずに!
Information
この記事のネタ元は、新潟県柏崎市出身の伊藤綾さん。
「だから新潟がいい!」という県民のアツいメッセージを紹介する『#新潟のコメジルシ』から『借金ゼロで、毎日温泉入り放題のリゾートマンション暮らしが叶う!』という記事に注目しました。
credit text:古郡充彬 photo:山田卓立