「だから新潟がいい!」という県民のアツいメッセージを紹介する『#新潟のコメジルシ』から「佐渡」をフォーカスした記事に注目。この記事では、新潟県民からも注目される佐渡の魅力をお伝えします。
日本海側最大の離島・佐渡。古くからの面影を残す町の景観や神社仏閣、能に鬼太鼓など、佐渡には世界に誇る文化遺産が豊富にあります。なかでもその価値が改めて評価され、ユネスコ世界遺産に推薦された「佐渡島(さど)の金山」をはじめ、佐渡の四季の変化に富んだ美しい自然景観やその風土に育まれた文化は、島民だけでなく本土の新潟県民からも広く愛されています。
今回は、そんなさまざまな表情をもつ佐渡の魅力を、新潟県民の目線からご紹介します。
地元民も穏やかな気持ちになれる海
日本海に浮かぶ佐渡は、約855平方キロメートルと東京23区の約1.4倍の面積を有し、日本海から吹く風と海洋性の気候によって島独自の豊かな自然に育まれています。
佐渡の海は、同じ日本海でも本土から見える海とまったく異なると言われています。エメラルドグリーンに煌めく夏の海、雪舞う冬の海——。より透明度が高く、透き通った水面が美しい離島の海は、四季折々の変化にともない季節によってまったく違う表情を見せます。
まちの喧騒から離れて静寂なひとときを過ごせる場所、佐渡。新潟市から佐渡の玄関口・両津港まで約2時間半の船旅を経て、島に到着すれば、それぞれがお気に入りの景勝地で海を眺めながらリラックスタイムを過ごすことができます。
休日を佐渡で過ごす常連の方たちから、人気なスポットとして挙げられるのが〈あめやの桟橋〉。両津港から車で約30分。「佐和田海水浴場」にあるこの桟橋から見渡す海のグラデーションは感激のひと言です。
おとぎ話の世界観を日常で味わう
佐渡には名所・旧跡を目当てに訪れる人も大勢います。地元の方におすすめの場所を聞くと、名所の見方を地元目線で教えてくれます。佐渡に来たらここは外せないと言われるのが、相川地区にある近代の鉱山施設の遺構〈北沢浮遊選鉱場跡〉です。
世界遺産に推薦された「佐渡島の金山」は、手工業で金を生産していた江戸時代までの遺跡群を指しますが、相川金銀山自体は、江戸から明治の機械化を経て平成元年までの約400年間操業されてきた日本最大級の金鉱山で、〈北沢浮遊選鉱場跡〉は昭和初期以降、佐渡で採掘された鉱石の選鉱を行う施設でした。
日本初となる金銀鉱石への浮遊選鉱法の実用化に成功すると、1か月で5トン以上の鉱石を処理し金銀生産量を大きく増加させ、「東洋一の浮遊選鉱場」ともうわたれました。
佐渡の人たちも、〈北沢浮遊選鉱場跡〉は季節によって表情を変える“生きた遺構”だと言います。初夏に生い茂るツタ、雪景色に佇む神秘的な建築物、季節の移ろいによって遺構そのものの姿が変わる、おとぎ話のような場所なのです。
ほかにも、佐渡の楽しみのひとつが佐渡までの足となる船〈佐渡汽船〉。船内のデッキから望む夕日も、はるか遠くに浮かぶ島の稜線も、季節によって姿を変え、船に乗るたびに楽しむことができます。
レトロでディープなまち並みと佐渡の玄関口・両津港
佐渡汽船の発着場である両津港のターミナルに降り立つとレトロなまち並みが残っています。両津港に併設するショッピング街〈シータウン商店街〉や歓楽街は、レトロな雰囲気に惹かれて集まる観光客と地元民とが出会えるスポットです。
ほかにも、両津港周辺には地元の憩いの場になっているスポットがあります。大佐渡山地のほぼ真ん中に位置する標高1172メートルの「金北山」と、大佐渡山地の絶景を独り占めできる「加茂湖展望の丘」です。
加茂湖展望の丘は、両津港から徒歩15分。高台に建つ〈椎崎諏訪神社〉の境内にあり、新潟県最大の湖「加茂湖」や、金北山が一望でき、春になると境内には公募で名前がつけられた「未来桜」が咲き乱れます。また、県の有形民俗文化財である能舞台では、薪能が演じられ、佐渡のローカルを知るためには足を運ぶのも良さそうです。
佐渡で堪能する「釣りのパラダイス」
佐渡のアクティビティといえば釣り! という人も多いのではないでしょうか。マダイやアオリイカといった高級魚を釣り上げることもできます。釣りの愛好家からも、佐渡は「釣りのパラダイス」と呼ばれるほどです。
それもそのはず、佐渡の海岸線の長さは約280キロメートルもあり、島を周回するように釣り場が点在しています。とくに〈沢崎鼻灯台〉のある南佐渡エリアには多くの釣り場があり、岩場や砂地、河口域、入江とロケーションも豊かです。
そのほか、釣り以外にも定番のたらい舟やシーカヤック、SUPといったウォーターアクティビティも楽しむことができ、島での過ごし方もバリエーションが豊富です。
新潟県外から見た「観光地としての佐渡」もいいですが、県民から見た佐渡は、ガイドマップには載っていない見方でよりローカルな楽しみ方ができるのではないでしょうか。以下の記事では県民から見た佐渡の魅力についてより詳しく語ってもらっています!
credit text:水澤陽介