新潟のつかいかた

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自家栽培のお米と野菜がおいしい
〈ふるさとがしのばれる宿
角屋旅館〉の朝ごはん | Page 3 Posted | 2018/11/09

“食べる幸せ”と“食べられる幸せ”いっぱいの一膳

そのままでも十二分においしい〈角屋旅館〉のご飯ですが、前日までに予約を入れると、また違うおいしさを味わうことができます。

普通に炊かれたご飯と、3種類の特別なご飯
普通に炊かれたご飯と、3種類の特別なご飯。

そのひとつが、玄米ご飯。しっかりと浸水させ、時間をかけて炊き上げられた玄米ご飯には、噛めば噛むほど出てくる豊かな味わいが。臭みも一切ないので、玄米食を一度試してみたいという方にもおすすめです。

土鍋で炊き上げられた玄米
ビタミンや食物繊維が豊富な玄米。「玄米のお粥を希望されるお客様もいますね」と安永さん。(写真提供:角屋旅館)

ふたつ目は、胃腸が疲れているときにうれしいお粥。普通に炊いたご飯よりも、さらに甘みを感じられるお粥はお客さんにも人気だそうで、女将の美幸さんいわく「『体調が悪いわけではないけど、お粥にしてほしい』と、おっしゃる方もいるんですよ」とのこと。

そして3つ目が、低タンパク米のご飯。「近くにお米を乳酸菌発酵させて、タンパク質を除去するメーカーがあるんです。病気や体の都合など、希望者に向けてお出ししています」と安永さん。

館内の共有スペースに引かれた湧き水
館内の共有スペースに引かれた湧き水。まろやかで甘みも感じる湧き水を、自由に飲むことができます。

持病の関係で食事制限のあるお客さんでも、滞在中は安心して食事を楽しめるようにと、症状にあわせた食事も用意している〈角屋旅館〉。その背景には村杉温泉の湯治場としての効果の高さと、“すべてのお客様に、貴重な旅を心から楽しんでもらいたい”という旅館の心づかいがありました。

旅の時間を、幸せなひとときにする心配り

「お客様のほとんどは療養をされたいという方や妊婦さんで、ご家族やお知り合いに『2、3日宿泊すると体がすごく楽になるから』と紹介された方々ばかり。さまざまな事情のあるお客様がいらっしゃいます」と安永さん。

「『どうしても、ここの旅館で』と思ってくださっているのですから、予約のお電話をいただく際にはいろいろとお話をうかがい、食事だけでなくお部屋の種類、枕や家具などもご希望に沿ったものを用意するようにしています。以前は何社かの旅行代理店と契約をしていたのですが、現在はお客様の事情を知ることができるように、直接予約を受けるかたちにしました」

安永さんと、女将の美幸さん
安永さんと、女将の美幸さん。ほがらかなふたりの存在も、旅館の宝。

「お電話でかなり深いところまでお話をしてくださったりもするので、お客様とのおつきあいは表面上の簡単なものではないですね」と女将さん。「そこにあれこれ手を出したり、口を出したりするわけではないですけれども、気持ちで受けるというか……つかず離れずの距離感が良いと、以前にお客様にほめていただいたことがあります」

計り売りされている〈角屋旅館〉のコシヒカリ
お土産用に1キロから計り売りされている〈角屋旅館〉のコシヒカリ。注文を受けてから、かわいらしいパッケージに袋詰めされます。

仲の良い友だちと観光名所を巡る、にぎやかなグループ旅行も楽しいですが、大切な人と静かにゆっくりと心身をいたわる旅行も、長い人生の中では必要なもの。新潟の豊かな自然の恵み、そして新潟の人々のあたたかみを、五感を通して味わえる〈角屋旅館〉。清らかな水と澄んだ空気が育んだ、とびきりのごはんをいただきながら、新潟の新たな楽しみ方を、ぜひ発見してみてください。

Information

【ふるさとがしのばれる宿 角屋旅館】

address:新潟県阿賀野市村杉4631-1

tel:0250-66-2221

web:ふるさとがしのばれる宿 角屋旅館

credit photo:斎藤隆悟 text:林みき