新潟のつかいかた

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新潟の郷土の味!
備えておくと便利な「車麩」 Posted | 2020/07/03

おうち時間が増えている昨今、自炊の腕をあげている人も多いのでは? そんな方へ、新潟の名産品を自宅でアレンジするレシピをお届けします。これまでに試したことのないメニューをつくって、「おうち居酒屋」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

今回は新潟県の特産品「車麩」をピックアップ。新潟県内で古くから親しまれてきた車麩は、アレンジ自在な万能食材です。新潟の地酒と一緒に楽しめば、新潟気分もアップすること間違いなしです。まずは基本の使い方をご紹介します。

冬場の貴重なタンパク源だった「車麩」

小麦から抽出したグルテンと小麦粉、水からつくられるお麩。室町時代初期に修行僧が中国から持ち帰って、日本に伝来したといわれています。当時はまだ小麦粉が多く栽培されていなかったため、お麩は貴重な食べ物として、特別なときにのみ食されていたとか。その後、江戸時代に入ると、寺院から門外不出だったお麩が全国に広まり、各地の風土に合ったお麩がつくられるようになりました。

新潟では中心に穴の空いた、ドーナツ型の「車麩」が一般的。お麩の生地を金属の棒に複数回巻きつけて、バウムクーヘンのように焼き上げたもので、輪切りにすると車輪のようであることからその名がついたといいます。

バウムクーヘンのように焼き上げる
(写真提供:新潟直送計画)
焼きあがった車麩
(写真提供:新潟直送計画)

車麩は長期保存が可能なため、非常時の糧にもなります。また、豊富な栄養素を含み高タンパクなので、冬になると雪に覆われる新潟では、冬場の貴重なタンパク源として昔から重宝されてきました。一方で、カロリーが低いのもうれしいところ。消化もよいため、離乳食や介護食など、幅広い使い道があります。

煮ても、揚げても、炒めてもOKな万能食材

車麩は水に浸けて戻してから調理するのが基本の使い方。すぐに使いたいときはぬるま湯に入れ、車麩が浮いてこないようにお皿などを上に置いて戻すのがよいです。熱湯に入れてしまうと、うまく戻らず固くなってしまうことがあるので注意してください。戻したあとは、しっかり水気を切って使うようにしましょう。

車麩を水に浸けて戻す

県内では、戻した車麩をカットして煮物にしたり、お味噌汁やすき焼きに入れることが多いそう。製造工程でしっかり焼きしめられているので、煮崩れしにくく、煮汁をたっぷり吸ってもっちりおいしく仕上がります。

また、お肉の代わりにから揚げにしたり、炒め物にすることも。車麩はボリュームがあるので、お肉を使わなくても満足感のあるメニューになります。和洋中どんなレシピとも相性がよく万能な車麩は、常備しておくと便利な食材です。

地元・新潟の米と水で仕込む酒

新潟の郷土の味「車麩」に合わせて楽しみたい日本酒を醸すのが〈朝日酒造〉。長岡市越路地域で、1830(天保元)年に創業した酒蔵です。

全国的にも知られる〈久保田〉は、2020年で35周年を迎える代表銘柄。発売時の1985年は人々の働き方がブルーカラーからホワイトカラー中心に変わった頃でもあり、当時の食生活に合ったお酒をつくろうと、淡麗で辛口傾向の味わいにしたそう。

また、東京に進出しようと社運をかけた挑戦のお酒でもあり、原点回帰の意味を込め創業時の屋号〈久保田屋〉から〈久保田〉と名づけたといいます。

そんな朝日酒造の酒づくりのモットーは「すべてにおいて品質本位」というもの。また、その土地の原料を使って、その土地の人が仕込むことが重要と考えています。

仕込み水には創業地内を流れる地下水脈を使用。県内でもとりわけ硬度が低く、清らかで凛とした味わいの理想のお酒をつくるのに適した軟水だそう。お米はすべて新潟県産米を採用しています。1990年には〈あさひ農研〉を設立し、稲の育て方を研究。酒づくりにおいて無駄がない品質のよいお米を育て、契約農家にフィードバックしながら協力関係を築いています。

枡形山からの越路
(写真提供:朝日酒造)

なお、長年のファンに愛されている〈久保田〉を醸す〈朝日酒造〉ですが、最近では若い世代向けに都心でイベントを開催したり、新潟発のアウトドアブランド〈スノーピーク〉と組んで、アウトドア向けのコラボ日本酒を商品化したりと、今の時代に向けた取り組みもしています。

アレンジ次第で使い方の幅が広い「車麩」を使ったひと皿と、〈朝日酒造〉のお酒を合わせて、新潟生まれのマリアージュをぜひ堪能してみてください。

購入可能なお店

「車麩」は表参道駅・徒歩1分のアンテナショップ〈ネスパス〉で購入できます。
web:表参道・新潟館ネスパス
※新型コロナウイルスの影響により営業日・営業時間を変更しておりますので、詳細はHPにてご確認ください。

お取り寄せ

新潟の食卓になじみ深い伝統の「車麩」を、老舗メーカーからお取り寄せ可能です。
お取り寄せ:車麩の通販|新潟直送計画

朝日酒造の詳細

web:朝日酒造

credit text:長谷川梨紗(くらしさ) photo:長谷川浩史(くらしさ) 

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