米どころとして知られる新潟県ですが、実は県内には個性豊かなパン屋さんがたくさん。創業100年以上の老舗ベーカリーから、まるでフランスの片田舎にいるかのようなおしゃれなべーカリー、さらに酒粕、塩麹、米粉といった新潟ならではの食材でパンづくりを行うお店まで、バラエティー豊かなべーカリーが続々と登場しています。
コンセプトもさまざまで、職人のこだわりとパンづくりへの熱い想いを感じられるお店ばかり。今回は、そんなパン屋さんの中から、3つのジャンル別に注目の新潟べーカリーをご紹介します。
新潟のご当地パン「サンドパン」って知ってる?
【 Bakery 1 】
上越を代表するソウルフード!〈小竹製菓〉
地方でしか出会えないパンといえば、パン好きの間で長らくブームとなっている「ご当地パン」。地元で愛される老舗が手がけるパンと、ユニークでレトロなパッケージをSNSにアップする人も多く、ご当地パンだけを集めた書籍も出版されているほどの人気です。
新潟が誇るご当地パンが、こちらの小竹製菓に代表される「サンドパン」。歯切れのいいふわふわのコッペパンに、バタークリームやコーヒークリームなどを挟んでつくるのが一般的。都内でも近年クリームやフィリングを目の前で挟んでくれるお店が人気を博し、ライブパンブームともいわれていますが、サンドパンはその先駆けともいえるのではないでしょうか。
多い日には1日2000個もつくるという上越市の老舗・小竹製菓。小竹商店として1924年に創業し、当初はカンパンや玉子菓子をつくっていたそう。ずっと変わらない味のバタークリームが懐かしく、まとめ買いしていくお客さんも多いんだとか。
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【 Bakery 2 】
“牛パン”の名で知られるサンドパン
〈フレンドリー高橋〉
地元では「高橋パン」として知られるべーカリー。もともとはパンの卸を専門に行っていましたが、地元の人たちの強い要望で店舗を構えることになりました。
こちらのサンドパンは、そのパッケージから、“牛パン”の愛称で親しまれる市民のソウルフード。昔から続く中種法で基本に忠実につくるパンは、きめ細かいパン生地に口溶けのいいバタークリームがよくなじみ、ひと口頬張ればやさしい甘さがじんわりと広がります。6種類のクリームから、好みの味を見つけてみてください。
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【 Bakery 3 】
ホロ苦コーヒークリーム×素朴なコッペパンの黄金コンビ
〈栄軒べーカリー〉
上越、中越でサンドパンを扱うお店に続き、最後は下越エリアの老舗をご紹介。JR北五泉駅近くにお店を構える〈栄軒べーカリー〉。かつて学校給食のパンをつくっていたことがあり、五泉っ子の中には“青春の味”として思い出に残っている人も多いそう。
こちらの定番パンは、大人な味わいが幅広い世代から支持されている〈コーヒーパン〉。ふんわりと焼き上げた昔ながらのコッペパンに、ほろ苦い特製のコーヒークリームをサンドした一品は、遠方から買い求めるファンも多い看板商品です。
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