県内全蔵の酒が一堂に集まる〈唎酒番所〉
新潟の名産といえば、日本酒を真っ先に思い浮かべる人も多いでしょう。そのイメージに違わず、新潟県には酒造りに適した良質な米と水が揃っていて、蔵元の数は全国で一番多い89蔵(2023年10月現在)。これだけ豊富だと、日本酒をたしなみたいと思っている人だけでなく、もともと日本酒が好きな人でさえ、自分好みの味を見つけるのはそう簡単にいかなそうな気も……。そんな、ある意味うれしい悲鳴に応えてくれる日本酒のミュージアムが、JR新潟駅構内の商業ビルCoCoLo西館3階に存在します。
〈ぽんしゅ館新潟驛店〉というこの施設は、酒どころ新潟の威信にかけてつくったといっても過言ではない、酒好きによる酒好きのためのパラダイス。県内の日本酒を販売するほか、漬物や醤油、味噌などの発酵食品やその他お土産物が揃う店舗です。1Fにはお酒と一緒に食事を楽しめる〈魚沼釜蔵〉など充実したスポットもあります。そんななかで特に人気を集めているのが、新潟の全蔵の唎酒ができる〈唎酒番所〉と呼ばれる一角。ラベルの貼られたディスペンサーが壁一面にずらりと並ぶ様は圧巻で、全国一の蔵数がいかにすごいことなのかを視覚的にも実感することができます。
唎酒番所のシステムはコイン制で、500円で5枚のコインと交換してもらえます。気になるお酒のところにコインを入れてボタンを押すと、おちょこに日本酒が注がれ、最大5杯の唎酒をすることが。さっそく体験しようと、コイン5枚とおちょこを握りしめてディスペンサーの前に立ってみたはいいものの、あまりにも数が多すぎて、どれから飲めばいいのか目移りしてしまいます。
「新潟のお酒は全体的に、淡麗辛口が多いといわれていますが、最近は甘口や旨口、あるいは香りのあるお酒など、幅広い味を楽しめるようになってきています」
と、ぽんしゅ館のスタッフが説明するように、新潟県内でもエリアによってある程度の特徴があります。下越(新潟市や新発田市などの県の北部)は辛口すっきり系が多く、中越(長岡市や魚沼市など県中部)は旨みが強くて味がやや濃いめ。上越(上越市と糸魚川市、妙高市の県南部)は軟水を使っているところが多いため、辛口だけれども比較的飲みやすいお酒が多いとのこと。
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ステーキに合う日本酒も 】