新潟のつかいかた

spot-nihonshu-001-mt1-paged2

新潟の日本酒の奥深さに触れる
〈ぽんしゅ館 新潟驛店〉 | Page 2 Posted | 2018/05/31

日本酒のプロに、選び方を教えてもらおう

お酒選びの助けとなるのが、それぞれのラベルに記されている数値やコメント。数値に関しては、普段お酒を選ぶうえでも何かと便利なので、その意味をぜひ覚えておきたいところ。

「味の目安になる『日本酒度』は、日本酒の比重を表していて、マイナスになるほど甘口、プラスになるほど辛口のお酒といえます。ちなみに日本酒における『辛い』という表現は、ドライのイメージに近いと思います」

なぜお酒の重さで味が変わるかというと、糖(ブドウ糖)の濃度が異なるから。糖が多ければ(日本酒度がマイナスになれば)甘く感じ、糖が少なければ(日本酒度がプラスになれば)辛く感じるというわけです。具体的には、±0を基準として、-5はやや甘口、-10は甘口、+5はやや辛口、+10は辛口に。

「新潟のお酒は平均+3~+4くらいといわれているのですが、辛めのお酒から始めて、甘めのお酒に移行していくと比較的飲みやすいと思います。順番を逆にすると甘さが残ってしまうので、その場合は塩をなめたり、和らぎ水(日本酒と一緒に飲む水)で口の中をリセットするといいですよ」

ただし日本酒度はあくまでも目安で、酸度やアルコール度数などでも感じ方が変わってきます。

「酸度というのは日本酒に含まれている酸の量で、すっぱくなるというよりも味を引き締める役割が。日本酒度だけ見ると辛口でも、酸度があると甘く感じたり、濃く感じたりする傾向があります。また香りによっても印象が異なり、香りがあると甘く感じやすいようです」

新潟のお酒が一堂に会しているだけあって、普段はあまりお目にかかれないような珍しいお酒もここにはあります。たとえばぽんしゅ館でのみ飲むことができる、〈越の寒中梅 純米吟醸 原酒〉。アルコール度数を調整する前の加水していないお酒なので17度と高いものの、度数をそれほど感じさせないまろやかな旨みが特徴。さらに牡蠣に合うお酒としてつくられた〈IMA 牡蠣のための日本酒〉や、ステーキに合う〈COWBOY YAMAHAI〉などアイデアに富んだお酒も。新潟は酒米にもこだわっていて、代表的な山田錦だけでなく、県内で開発された五百万石や、山田錦と五百万石をかけ合わせた越淡麗を主に使用しています。

「山田錦は香りがよく、しっかりとした味わい。五百万石はすっきりと飲みやすいお酒に仕上がるのですが、50%以上削ることが難しいので、純米酒や吟醸酒向き。そのデメリットを補って、主に大吟醸をつくるために品種改良されたのが越淡麗で、飲みやすくて香りのいいお酒になります」

こうしたさまざまな情報をもとに好みのお酒を選んでいくわけですが、「細かいことは抜きにしたい!」という人は、こんな選び方も。

「新潟らしい淡麗辛口の有名どころとして〈越乃寒梅〉や〈八海山〉などがありますが、どちらも飲みやすいお酒です。これらをベースにほかのお酒と飲み比べてみると、好みを見つけやすいかもしれません」

日本酒と一緒におつまみも。角打ちスペースが誕生!

次のページ:日本酒と一緒におつまみも。角打ちスペースが誕生!


次のページへ →