新潟ならではの工夫も! いま行きたい、個性派そば処3選
【 Soba 7 】
迫力ある早打ちの技を目の前で体感〈手打ち 弥三郎〉
こちらのページで登場するのは、そばの提供方法、保存方法などにユニークな特徴を持つお店。そば自体の味わいに深いこだわりがあるのはもちろん、ライブ感あふれる手打ちや新潟ならではの「雪室」で貯蔵されたそばなど、個性豊かなそば処を見てみましょう。
まずご紹介するのは、水とそば粉だけを使い、早打ちで仕上げる“魚沼自然流”のそばが自慢の〈手打ち 弥三郎〉。注文を受けてから目の前で手打ちし、1人前4分ででき上がる妙技を目の前で体験できるお店です。
木鉢に入れたそば粉に氷水を注いで箸で混ぜ、練りの時間は1分そこそこ。麺棒は業務用のラップの芯。こま板を使わずに生地を切り、あれよあれよという間に麺が仕上がる様子は、見ているだけでも楽しいと話題です。素早く打ち立てのそばを提供する型破りの技は、20年かけて編み出したもの。
そば打ちを見学できるだけでなく、無料で誰でも体験できるというから驚きです。ダイナミックな技を店主に学んだら、そば打ちの楽しさに目覚めてしまうかもしれません。
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【 Soba 8 】
幻と呼ばれる在来種「こそば」を次世代につなぐ〈こそば亭〉
品種改良が進み、また雑交配が多いソバにとって、在来種は貴重な存在。妙高の谷間で奇跡的に残っていた小粒な在来種に光を当て「こそば」と命名、全国的なソバに育て上げたのが〈こそば亭〉です。
一般的に小さなソバの実はタンパク質の割合が多く、これが風味の強さともちもちとした食感を生みますが、こそば亭では、自家製粉したこそばをオヤマボクチでつなぎ、その食感をさらに際立たせています。ひと口たぐれば、小さなソバの実に秘められた力強さに驚くはず。
手早く水回しを行い、空気を含ませるようにこね上げたこそば亭のそばは、独特のもっちりとした食感と存在感のある風味が特徴。一度食べればヤミツキになるというその味わい、妙高を訪れたらぜひ体感してみてください。
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【 Soba 9 】
雪室で風味を増した、素朴で滋味深い味わい
〈雪むろそば家 小さな空〉
新潟屈指の雪国・上越に伝わる「雪室」。冬の間に降り積もった雪でつくった雪山を藁などで囲い、食料を夏まで貯蔵して活用する、雪国ならではの知恵が生きた「天然の冷蔵庫」です。近年、野菜からコーヒーなどの嗜好品に至るまで、雪室で熟成させた商品が話題を呼んでいます。
そんななか、雪室を活用したそばを味わえるそば処があります。
こちらの〈小さな空〉は、雪室保存のそばを提供する先駆け的存在。開店当初から店舗に隣接する雪室を利用し、上越産の玄そばを保存、使用しています。毎朝石臼でひく粗めのひきぐるみを使った「田舎そば」は、たぐるとそばの香りが立ち、かめば甘みが伝わってくる絶品。適度なかたさも心地良い食感です。
化学調味料を使わずに宗田節やサバ節、昆布などからダシを取って仕上げる濃いめのつゆとの相性も抜群。
自慢のそばはもちろん、月2回行われる田舎料理バイキングも人気です。さまざまな地元食材を使った「おふくろの味」は、新潟らしい食文化を存分に堪能できるはずです。
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新そばの季節、そばめぐりの旅はいかが?
お店ごとの個性が生きた新潟のそば処、いかがでしたか? 十日町、小千谷など山あいの地域はもちろん、県内各地に地元のそば好きもうなる名店が点在している新潟。首都圏の定番・江戸前そばとはまったく異なる味わいのそばを楽しめるはず。
また、そばそのもののおいしさはもちろん、お店を取り囲む自然や店内の空間も楽しみながら、新そばの季節を思う存分堪能しに、出かけてみてはいかがでしょうか。
credit edit:Komachi編集部