新潟のつかいかた

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歴史も文化も都会的魅力も
ぜんぶ自転車で巡れちゃう!
「にいがた2km」らくらく旅 | Page 4 Posted | 2022/12/15

市民や観光客の憩いの場〈上古町の百年長屋 SAN〉で
くつろぎの時間を

「にいがた2km」圏内の上古町地区は、歴史深いまち。新潟の総鎮守白山神社へ続くメインストリート・古町通りの参道に歴史を感じさせる長屋がずらっと並んでいます。

このエリアには古くから営む個人商店や喫茶店が並ぶなか、歴史ある建物をリノベーションしたお店が続々オープンするなど、いま新たな息吹が吹き込まれています。

〈上古町の百年長屋 SAN〉外観
ガラス張りで開放感のある、洗練されたモダンな外観。築100年というから驚き!

今回お邪魔したのは、2021年12月にオープンした複合施設〈上古町の百年長屋 SAN〉。

新潟土産〈浮き星〉(うきほし)を楽しめる喫茶をはじめ、フラワーショップやミーティングルームなど、さまざまな使い方があります。

白鳥のイラストが描かれた〈浮き星〉
色とりどりでかわいい。手土産にちょうどよいサイズ感。

〈浮き星〉とは、もち米でつくったあられに砂糖蜜をかけた、120年以上の歴史を持つ新潟の伝統的なお菓子。もともとは別の名で売られており、砂糖が貴重だった時代には贅沢品でした。

実はこの〈浮き星〉、現在は新潟市にある明治33年創業の〈明治屋ゆかり店〉でしか製造しておらず、少し前までは売り場の縮小を余儀なくされていたのだそう。

そこで〈SAN〉の館長でもあるクリエイト集団〈ヒッコリースリートラベラーズ〉の迫一成さんが、商品名もパッケージも新たにプロデュースし、再び注目を集めるようになりました。

蓋にさまざまなイラストが描かれた缶入りの浮き星
ころんとしたサイズのデザイン缶は種類が豊富で選ぶ楽しさがあります。

「“浮くお菓子”と、水面にぷかぷか浮いている新潟市の鳥である“白鳥”をモチーフにパッケージをデザインしました。新潟の伝統菓子もこの古町も盛り上げられたら」と迫さん。

SANは、これまでの文化の価値を再発見し、新たな視点で発信する取り組みを行っているようです。

煎茶に〈浮き星〉を入れる

そのひとつに、〈浮き星〉を使ったソフトクリームがあります。

SANの中にある〈喫茶UKIHOSHI〉の看板メニューのひとつであるこのソフトクリームは、阿賀野市の〈神田酪農〉の濃厚なミルクを使ったソフトクリームに、〈浮き星〉をトッピング。新潟の茶葉卸〈向井園〉と共同開発した、〈浮き星〉に合う煎茶に入れて味わうのもおすすめです。

「〈浮き星〉の見た目のかわいさはもちろん、煎茶で砂糖蜜のコーティングが溶けたときに浮かんでくる様子が楽しいです」とアリスさん。

金平糖のような見た目ですが、それよりも小ぶりで素朴な甘さなので、さまざまな食べ方で楽しめます。

カウンターでおすすめスポットについて話し込む金沢李花子さんと斉藤アリスさん
「にいがた2km」のおすすめスポットを教えてもらうアリスさん。

副館長の金沢李花子さんは「SANから新潟の魅力を発信していきたいですね。古町の総合案内所だと思って何でも聞いてもらえたら」と、観光客のアリスさんにていねいな観光案内をしてくれました。

古町のディープでローカルな情報を知りたくなったら、SANに顔をだすと良さそうです。

Information

【上古町の百年長屋 SAN】
address:新潟県新潟市中央区古町通3番町653
tel:025-378-0593
access:JR新潟駅から自転車で約15分
営業時間:10:00〜18:00
定休日:火曜
ポート:SANの隣に「上古町自転車駐車場」あり
web:上古町の百年長屋 SAN

車がなくても新潟の魅力を自転車でサクサク巡る旅ができるので、天気の良い日にぜひ楽しんでみてください。

credit model:斉藤アリス photo:ただ(ゆかい) 
text:藤田佳奈美