新潟のつかいかた

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これを知っていれば本物の新潟好き!?
新潟定番グルメの“うまイイ話” Posted | 2022/02/16

お米、枝豆、へぎそば……。新潟の定番グルメといえば、どんなものを思いつきますか。新潟米や枝豆の銘柄までを知っていたり、へぎそばのルーツまで語れればなかなかの新潟通かもしれません。

バラエティ豊富な新潟グルメですが、新潟出身の人なら新潟を思い出す味、新潟好きの人なら新潟に行ったら必ず食べるというお気に入りの定番グルメがあると思います。

今回はそんな新潟定番グルメをより深く知れる、新潟好きなら知っておきたいグルメなハナシをお届けします。あのローカルフードのルーツは? どんな食べ方がおいしいの? 「定番」でもまだまだ知らないことがたくさんありそうです。

特徴を知ればもっとおいしく食べられる!:新潟米

炊き上がったご飯を茶碗によそう
(写真提供:新潟直送計画)

新潟は日本一の米どころ。お米のおいしさは、言わずもがな新潟自慢のグルメですよね。〈コシヒカリ〉や〈新之助〉〈ゆきん子舞〉〈こしいぶき〉……と、豊富なラインナップも魅力です。

でも、新潟米のそれぞれの特徴を味わうには、もう一歩踏み込んで各銘柄と相性のいいおかずやお米の特徴が際立つ食べ方まで知っておきたいところ。代表的な銘柄だけでもあっさり/もっちり、かため/やわらかめと個性が違えば、合わせる料理や食べ方も変わってきます。

新潟米食味評価会によるお米チャート

粘りがあってしっかりとした味わいが特徴の〈コシヒカリ〉は、和食との相性が抜群。お茶碗によそって、ご飯そのものの旨みをしっかりと味わうなら〈コシヒカリ〉がおすすめです。また、〈新之助〉も〈コシヒカリ〉同様、もっちりとした食感が特徴ですが、大粒でかたさがあるのでおにぎりにするとしっかりとした粒感が感じられます。一方、あっさりタイプの〈ゆきん子舞〉は、味つけのしっかりとしたカレーや中華との食べ合わせがぴったりです。

このように、ひと口に「新潟米」と言っても銘柄によって食べ方を変えれば、よりはっきりとお米の特徴を味わうことができます。

旬は夏だけじゃない!1年の半分が旬の県民の味:枝豆

ザルにのった茹でた枝豆
(写真提供:新潟直送計画)

新潟は日本酒やお米のイメージが強いかもしれませんが、実は枝豆の栽培面積・消費量が全国1位の「枝豆県」。

県外の人にあまり枝豆のイメージがないのは、栽培面積・消費量が全国1位なのに、出荷量が全国7位だからかもしれません。つまり、新潟県民が枝豆を好きすぎて、そのほとんどを県内で消費しているということですね。

旬の枝豆カレンダーイラスト

新潟で栽培されている品種は約40種類。最盛期は夏ですが、春から秋にかけて銘柄によって旬の時期が異なるのをご存知でしょうか。

5月の中旬から旬を迎える〈弥彦むすめ〉は、春先のフレッシュな味わいが特徴です。夏に旬を迎える〈新潟茶豆〉は枝豆らしい芳醇な風味が味わえ、秋にはほくっとした食感の〈新潟えだまめ(晩生)〉が食べごろを迎えます。新潟の枝豆は、このように代わる代わる各銘柄の旬がやってきて、半年もの間さまざまな味を楽しむことができるのです。

新潟のそばと言ったらコレ一択:へぎそば

へぎそば
(写真提供:新潟直送計画)

新潟のそばと言ったら「へぎそば」。「へぎ」と呼ばれる器に3〜4人前がひと口サイズに盛られ、みんなで囲んで食べるのが一般的です。また、そばのつなぎには「ふのり」が使われているのが特徴です。

では、なぜ「ふのり」が使われているのか。そもそも「ふのり」とは何なのでしょうか。

「ふのり」とは「布海苔」と書き、全国的に分布する海藻の一種です。これがどうして新潟ではそばのつなぎに使われるようになったかというと、魚沼地域周辺の織物文化にルーツがあると言われています。

「ふのり」は古くは「布糊」とも書かれ、織物用糊料として使われていました。ふのりを煮溶かすと採れる粘り気のあるエキスが織物を紡ぐ糊として利用され、着物の産地だった魚沼地域の人たちにとって身近なものだったそうです。もとは海藻ですから、そのふのりをそばのつなぎに使ってみると、ツルツルとした食感と弾力のあるコシが生まれ、これが評判を呼び、今では県の定番グルメとして根づいたというわけです。

県民が考えるお米のお供、No.1:鮭

塩引き鮭など各種の鮭料理
(写真提供:新潟直送計画)

新潟と言ったらお米! 新潟県民100人が回答したアンケート「新潟コメジルシ総研」では、県民が考えるお米の相方として「お米のお供、No.1」に選ばれたのは、新潟の鮭料理の定番「塩引き鮭」でした。2位には「いくら」が選ばれ、そのほかにも「鮭の焼漬け」や「鮭の昆布巻き」と、新潟にはさまざまな鮭の調理方法があり、古くから新潟の食文化に根づいてきました。

とくに新潟県最北部の村上市では、長い歴史をかけて鮭の食文化が育まれてきました。江戸時代、鮭は村上藩の収入源であり、当時から鮭が産卵しやすい人工の分流がつくられたり、お米が不作の年は鮭を保存食として食べたり、「鮭は大切な天の恵み」として重宝されていました。

鮭に助けられ、鮭を大切にしようという考えから、あらゆる調理法が考え出され、鮭を余すことなく食べる食文化が生まれたのです。軒先に鮭が吊り下げられている光景が冬の村上の風物詩ですが、村上の鮭の食文化が新潟全土に広がり、今やお米のお供として欠かせないものとなりました。

ぽっぽ焼き、笹団子、柿の種…まだまだある、新潟の定番グルメ

ぽっぽ焼きと笹団子、柿の種
(写真提供:新潟直送計画)

新潟好きなら、ここまでご紹介したもの以外にも、柿の種、笹団子、ぽっぽ焼き……といろいろな新潟グルメが思い浮かぶでしょう。挙げだしたらきりがありませんが、「#ふるさと新潟の思い出の味」には、多くの新潟ファンが思い思いの新潟定番グルメを投稿しています。

「柿の種は、あられの金型を誤って踏んでしまって、その型でつくったからあんな形になったんだよ!」「笹団子は新潟国体でお土産になったことで有名になって、米俵に形が似ていることから米どころ・新潟の定番グルメに定着したんだって!」。そんな新潟県民も驚く定番グルメのうんちくを知っておくと、県民にも負けない新潟愛をアピールできるかもしれません。